このように皆既月食のときの月の色が異なることは、フランスの天文学者ダンジョンが20世紀初頭にすでに気づいていました。彼は独自に「ダンジョンの尺度(スケール)」という色の目安を用いて、月食の色を調べました。この尺度を表にまとめます。
◆ダンジョンの尺度(スケール)
※ 【 】内はこのキャンペーンでの表現
・尺度0
非常に暗い食。月のとりわけ中心部は、ほぼ見えない。【黒】
・尺度1
灰色か褐色がかった暗い食。月の細部を判別するのは難しい。【灰色またはこげ茶色】
・尺度2
赤もしくは赤茶けた暗い食。たいていの場合、影の中心に一つの非常に暗い斑点を伴う。外縁部は非常に明るい。【暗い赤】
・尺度3
赤いレンガ色の食。影は、多くの場合、非常に明るいグレーもしくは黄色の部位によって縁取りされている。【明るい赤】
・尺度4
赤銅色かオレンジ色の非常に明るい食。外縁部は青みがかって大変明るい。【オレンジ】
(Danjon, M.A. 1920, Comptes Rendus Acad. Paris 171, 1127より翻訳)