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皆既月食中の月の色
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■皆既月食中の月の色

皆既月食になると、月が本影の中に完全に入り込むため、月がまったく見えなくなってしまうように思われます。しかし、実際には本影の中にわずかに回り込む光の影響で、そうはなりません。

地球のまわりには大気があります。太陽光がこの大気の中を進むと、大気がレンズのような役割をして、ほんのわずかですが屈折して進みます。
この時、青い光は空気の分子によって途中で散乱してしまいます。これに対して赤い光は散乱しづらいため、屈折して本影の中に入り込むのです。このかすかな赤い光が皆既中の月面を照らします。このため、皆既中の月は赤黒く見えるのです。


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