報告ページへは、8月11日夕方からアクセスしていただける予定でしたが、設定にトラブルがあり、報告ページへのリンクが表示されない状態が続いてしまいました。ご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。
今回は、1,589件のご報告をいただきました。たくさんのご報告ありがとうございました。
→最終集計結果はこちらをご覧ください。
ふと見上げた夜空を音もなく流れる流れ星。そこに、宇宙の不思議や美しさを感じたことのある方もたくさんいらっしゃると思います。「流星(流れ星)を一度でいいから見てみたい」「以前見た流星がきれいだったのでもう一度見たい」という方にとって、8月は、その願いを叶える絶好のチャンスです。それは「ペルセウス座流星群」が活動する時期だからです。
国立天文台では、できるだけ多くの方に夜空を眺める機会を持っていただこうと、夏に活動するペルセウス座流星群を観察対象に、今年で4年目となる「夏の夜、流れ星を数えよう」キャンペーンを行います。ペルセウス座流星群の活動が活発になると思われる8月11日の夜から15日の朝までの4夜の間に15分間以上星空を眺め、結果を報告ページから報告していただこうというものです。
これまで流星を見たことがないという方は、是非この機会に、流星の美しさをご自身の目でご覧になってみてください。また、これまでに流星は見たことがあるという方も、今度は、流星群の流星かどうかを見極めてみませんか。
キャンペーンでいただいた皆さんの報告を元に、流星の出現数の変化などがリアルタイムで集計されます。(流星の出現数の集計には、流星群の流星かどうかを区別したデータを用います。流星群の流星かどうかを区別する方法については、「観察Q&A:ペルセウス座流星群の流星かどうかはどうやってわかる?」をお読みください。)
携帯電話からでも参加できますので、お気軽にご参加ください。
「曇ってしまった」「流星がひとつも見えなかった」なども立派な観察結果ですので、是非報告してください。
ご報告をいただく項目は、「流星を見た時刻」「流星を見ていた時間」「流星群の流星を区別したかどうか」「都道府県」などの、簡単な項目です。
携帯電話用のキャンペーンページへは、 http://www.nao.ac.jp/i/phenomena/20100811/index.html からアクセスしてください。
携帯電話用ページでは、通常の報告ページによる報告とともに「初級編」を実施します。
※ 携帯電話で国立天文台のページを見ようとしたときに、携帯電話側の制限によって、ページを見ることができない場合があります。そのような場合には「携帯電話のアクセス制限について」をご覧ください。
雲間に出現したペルセウス座流星群
撮影:佐藤幹哉(国立天文台)
日時:2010年8月13日3時41分
撮影地:長野県立科町
※画像の二次利用可
クリックすると拡大します。
中サイズ画像(365KB) 大サイズ画像(3,046KB)
超高感度ビデオカメラによるペルセウス座流星群のムービーを提供していただきましたので、掲載します。流星の色がわかるきれいな映像ですので、ぜひご覧ください。
撮影日:2010年8月12-13日
撮影地:長野県立科町
撮影者:竹本宗一郎(ZERO CORPORATION)
撮影協力:佐藤幹哉(国立天文台天文情報センター)
ペルセウス座流星群を観察するのに役立つ情報をまとめたページを作成しました。参考にしてください。
→ 「ペルセウス座流星群を観察するには(Q&A)」のページはこちら
流星を眺めて楽しむだけでなく正式な観測をしたいという方向けに、上級者向けページも用意しました。上級者向けといっても、いくつかの点に注意すれば、始めるのはそれほど難しくありません。
流星(「流れ星」とも言う)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になると同時に光って見える現象です。
このようなチリの粒を軌道上に放出しているのは彗星で、チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んできます。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっていますので、特定の時期に特定の流星群が出現するわけです。
このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってきます。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んできますが、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれます。ペルセウス座流星群の放射点は、ペルセウス座γ星の近くにあります。
流星の出現数ですが、流星群の放射点が地平線付近にあるときには、チリが大気にななめから飛び込んでくるためにチリの数は少なく、流星はほとんど出現しません。流星群の活動の活発さが変わらないと仮定すると、放射点の高度が高くなるにしたがって流星の出現数は多くなります。
ペルセウス座流星群は、毎年8月12〜13日ごろを中心に活動している流星群です。ペルセウス座流星群の活動は前後数日間続きますので、その間は流星の出現が期待できます。
ペルセウス座流星群は、流星を初めて眺めようという人にもお勧めの流星群です。
その理由のひとつは、流星の出現数が多いことです。毎年、ほぼ決まって、たくさんの流星が出現し、1月の「しぶんぎ座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と並んで「三大流星群」と呼ばれています。十分に暗い夜空で晴天に恵まれれば、1時間に30個を越える流星を見ることができます。
※見える流星の数については「観察Q&A:どのくらいの数の流星が見えるの?」をご覧ください。
→ 「観察Q&A:どのくらいの数の流星が見えるの?」のページはこちら
もうひとつの理由は、活動期間の前後が夏休みやお盆休みの方が多く、夜更かしをしたり、星のよく見える場所に行ったりしやすいことです。
その他にも、夏なので夜でも暖かいことが挙げられます。三大流星群のうち「しぶんぎ座流星群」と「ふたご座流星群」は冬に活動するため、長い時間屋外で流星を観察していると、体が冷えてたいへん辛いことがあります。しかし、ペルセウス座流星群は夏のさかりに活動しますので、寒さについてあまり心配する必要がありません。(それでも、長時間屋外にいると普段より体が冷えますので、寒さには十分注意してください。)
流星を観察するのに適した、月明かりのない暗い空を考えると、ペルセウス座流星群の放射点の高度がある程度高くなり、流星が出現し始めるのは21時頃です。それ以前は、放射点の高度がまだあまり高くないため、多くの流星が出現することは期待できません。放射点の高度が高くなる真夜中を過ぎる頃から流星の出現は増えていき、放射点の高度がいちばん高くなる、空が明るくなる直前までが観察に適した時刻となります。
また流星観察のしやすさを考えるときには、月の影響も考慮する必要があります。月が明るいと、その明るさに隠されてしまって、暗い流星が見えなくなってしまうからです。月の状況は年によって変わりますが、今年のペルセウス座流星群の状況については「観察Q&A:いつ見ればよい?」をご覧ください。
2009年8月13日撮影の流星のムービーをご覧いただけます。
観測地:長野県立科町
撮影:国立天文台天文情報センター