今回は、3,417件のご報告をいただきました。たくさんのご報告ありがとうございました。
→最終集計結果はこちらをご覧ください。
凍てつく冬の夜空を貫く光の矢をご覧になったことはありますか?それはもしかすると、ふたご座流星群の流れ星だったかもしれません。ふたご座流星群は毎年私たちに多くの流星を見せてくれますが、今年も、真夜中以降は月の影響がなく、私たちを楽しませてくれそうです。
国立天文台では、できるだけ多くの方に夜空を眺める機会を持っていただこうと、12月に活動するふたご座流星群を観察対象に、今年で5回目となる「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを行います。ふたご座流星群の活動が活発になると思われる12月13日の夜から16日の朝までの3夜の間に15分間以上星空を眺め、結果を報告ページから報告していただこうというものです。
これまで流星を見たことがないという方は、是非この機会に、流星の美しさをご自身の目でご覧になってみてください。また、これまでに流星は見たことがあるという方も、今度は、流星群の流星かどうかを見極めてみませんか。
キャンペーンでいただいた皆さんの報告を元に、流星の出現数の変化などがリアルタイムで集計されます。(流星の出現数の集計には、流星群の流星かどうかを区別したデータを用います。流星群の流星かどうかを区別する方法については、「観察Q&A:ふたご座流星群の流星かどうかはどうやってわかる?」をお読みください。)
携帯電話からでも参加できますので、お気軽にご参加ください。
「曇ってしまった」「流星がひとつも見えなかった」なども立派な観察結果ですので、是非報告してください。
ご報告をいただく項目は、「見えた流星の数」「流星を見た時刻」「流星を見ていた時間」「流星群の流星を区別したかどうか」「都道府県」などの、簡単な項目です。
携帯電話用のキャンペーンページへは、 http://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20101213/ からアクセスしてください。
携帯電話用ページでは、通常の報告ページによる報告とともに「初級編」を実施します。
※ 携帯電話で国立天文台のページを見ようとしたときに、携帯電話側の制限によって、ページを見ることができない場合があります。そのような場合には「携帯電話のアクセス制限について」をご覧ください。
ふたご座流星群の流星の画像を掲載しました。
撮影者:戸田博之(国立天文台)(二次利用可) 観測地:国立天文台 岡山天体物理観測所
撮影日時:2010年12月14日23時48分
クリックすると拡大します。 中サイズ画像(56KB) 大サイズ画像(1.47MB)
撮影者:戸田博之(国立天文台)(二次利用可) 観測地:国立天文台 岡山天体物理観測所
撮影日時:2010年12月15日2時24分
クリックすると拡大します。 中サイズ画像(105KB) 大サイズ画像(2.11MB)
撮影者:佐藤幹哉(国立天文台天文情報センター)(二次利用可) 観測地:山梨県鳴沢村
撮影日時:2010年12月15日0時42分
クリックすると拡大します。 中サイズ画像(134KB) 大サイズ画像(620KB)
ふたご座流星群を観察するのに役立つ情報をまとめたページを作成しました。参考にしてください。
→ 「ふたご座流星群を観察するには(Q&A)」のページはこちら
流星を眺めて楽しむだけでなく正式な観測をしたいという方向けに、上級者向けページも用意しました。上級者向けといっても、いくつかの点に注意すれば、始めるのはそれほど難しくありません。
流星(「流れ星」とも言う)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になると同時に光って見える現象です。
このようなチリの粒を軌道上に放出しているのは彗星で、チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んできます。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっていますので、特定の時期に特定の流星群が出現するわけです。
このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってきます。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んできますが、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれます。ふたご座流星群の放射点は、ふたご座α星(カストル)の近くにあります。
流星の出現数ですが、流星群の放射点が地平線付近にあるときには、チリが大気にななめから飛び込んでくるためにチリの数は少なく、流星はほとんど出現しません。流星群の活動の活発さが変わらないと仮定すると、放射点の高度が高くなるにしたがって流星の出現数は多くなります。
なお、ふたご座流星群の母天体は、長い間わかりませんでした。しかし、最近の研究で、母天体が小惑星ファエトンである可能性があることがわかってきました。この小惑星ファエトンは、元々は彗星だったものが、チリを出し尽くしてしまった天体なのではないかと考えられています。
写真は、2004年のふたご座流星群の流星です。
(画像提供:国立天文台、撮影:佐藤幹哉)
日時:2004年12月14日 3時23分40秒〜24分10秒(露出30秒)
機材:EOS Kiss Digital 20mm f2.8(開放)ISO 1600に設定
場所:茨城県常陸大宮市
→中サイズ画像(319KB) →大サイズ画像(2.2MB)
ふたご座流星群は、毎年12月13〜14日ごろを中心に活動している流星群です。今年は、14日の真夜中過ぎから15日の明け方までの間に最も多くの流星が出現するだろうと予想されていますが、ふたご座流星群の活動は数日間続きますので、その前後何日間かは流星の出現が期待できます。
ふたご座流星群は、流星を初めて見てみようという人にもお勧めです。
その理由のひとつは、流星数が多いことです。毎年、ほぼ決まって、たくさんの流星が出現します。1月のしぶんぎ座流星群・8月のペルセウス座流星群と並んで「三大流星群」と呼ばれています。4等星まで見えるような平均的な空で晴天に恵まれれば、1時間に15〜20個の流星を見ることができます。十分に暗い空ならば、より多くの流星を見るチャンスがあります。
※見える流星の数については「観察Q&A:どのくらいの数の流星が見えるの?」をご覧ください。
→「観察Q&A:どのくらいの数の流星が見えるの?」のページはこちら
ふたつ目の理由は、真夜中前にも流星が出現することです。三大流星群のうちペルセウス座流星群やしぶんぎ座流星群は、どちらも深夜から明け方の時間帯を中心に流星が出現します。しかし、20時頃という早い時刻から出現するふたご座流星群は、お子さんにとっても観察しやすい流星群といえるでしょう。
ただし今年は、真夜中前には月が出ていますので、なるべくなら、月が沈む真夜中過ぎに観察をしたほうが、より多くの流星を見ることができそうです。月が出ていると、月の明るさが邪魔をして、暗い流星が見えなくなり、観察できる流星数が減ってしまうためです。
観察方法については、Q&Aのページをご参照ください。
→ 「ふたご座流星群を観察するには(Q&A)」のページはこちら
当ページへリンクされる際に、よろしければご利用ください。
バナー(300×37)