ふたご座流星群の流星を観察する方法などについて、Q&A形式で解説します。
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12月14日の夜に、流星が最も活発に出現すると考えられます。
12月13日の夜も、14日の夜ほどではなさそうですが、ある程度の数の流星が出現すると予想されます。
流星群の活動が最も活発になること(あるいはその時期)を「極大」と呼びます。ふたご座流星群の今年の極大は12月14日の20時頃だと予想されています。そのため、この夜は流星群が比較的活発に活動しており、多くの流星を見ることができると考えられます。
極大前日の13日の夜と極大翌日の15日の夜では、13日の夜のほうが、より多くの流星が出現すると予想されています。
また、ふたご座流星群の活動は12月11日頃から16日頃まで続きます。極大でない夜でも、流星活動の続いている期間に観察すれば、極大のときほど多くはありませんが、普段よりは多くの流星を見ることができると思われます。
月が沈んで以降、明け方までの間に観察するのがよいでしょう。
極大の時刻は12月14日の20時頃と予想されています。しかし、流星の出現数を考えるときには、極大の時刻だけでなく、放射点の高さや月の影響も考える必要があります。
ふたご座流星群の場合、放射点は夕方には北東の地平線近くにあり、2時頃にほぼ天頂を通って、明け方には西の空の中ほどまで移動します。放射点が一晩中夜空にあるため、ふたご座流星群の流星は、ほぼ一晩中見ることができます。ただし、22時より前は放射点がまだ十分に高い位置まで上っていないため、多くの流星を見ることは望めません。これは、放射点が低いときには、流星の元となる物質が地球の大気に斜めに飛び込んでくるため、見える範囲に飛び込んでくる流星物質の数が少なくなり、流星群の活動自体は活発であっても、流星の出現数は少なくなってしまうためです。
また、月が出ていると、月の明るさが邪魔をして暗い流星が見えなくなり、観察できる流星の数が減ってしまいます。今年は、真夜中前は月が出ており、真夜中前後に月が沈みますので、なるべく月が沈んだ後に観察をしたほうが、より多くの流星が見られるはずです。
以上のことを考慮すると、12月13日・14日の夜とも、真夜中前後に月が沈んで以降(日付が変わって翌日の)明け方までがお勧めの時間帯です。
13日・14日以外の夜に観察する場合でも、なるべくなら、22時頃以降で、なおかつ月が沈んだ後、明け方までの間に観察をするのがよいでしょう。放射点が天頂に近い午前2時頃に、計算上は流星の数が最も多くなります。
ただ、流星の出現状況は正確には予想できませんので、たくさんの流星を見るためには、空が暗くなってから翌朝明るくなり始める前まで、なるべく長い時間観察を続けましょう。空が暗くなる時刻、明るくなり始める時刻は「こよみの計算」で日の出・日の入り時刻を調べることで知ることができます。どうぞご利用ください。
→ 各地の日の出・日の入り時刻を調べるには、暦計算室の「こよみの計算」へ
※ 空が完全に暗くなるのは日の入りの約1時間半後、空が明るくなり始めるのは日の出の約1時間半前です。このページで計算できる「夜明・日暮」の時刻は、空が明るいため流星を見るには適していません。
4等星まで見えるような平均的な空で見るとき、流星が最も多く見える日時に観察できる流星の数は、1時間に15〜20個と予想されます。
見える流星の数は、観察する場所の空の状態(明るさ)で変わってきます。2等星までしか見えないような市街地では、1時間に5個程度です。一方で、6等星が見えるような条件の良いきれいな空では、50個以上の流星を見るチャンスがあります。
極大の日時から離れるほど、見ることのできる流星の数は少なくなります。しかし、頑張って観察を続ければ、それだけ流星を見られる可能性は大きくなりますので、あきらめずに観察をしてみてください。
※ 以上の考察は、過去数年間の観測結果をもとに推測したものです。これよりも多く流れたり、逆に少なかったりする可能性もあります。あらかじめご了承ください。
日本全国どこででも見ることができます。
世界的に見ると、予想される極大の時刻で観測に適しているのは、アメリカ合衆国やカナダの西部になります。しかし、極大の前後1日程度は流星群が活発に活動する時期が続きますので、世界のどこであっても、ある程度の数の流星を見ることができるでしょう。ただし、南半球では放射点の高度があまり高くならないため、あまりよい条件とは言えません。
流星を観察する場所ですが、できるだけ、街灯など人工の明かりが少ない場所を選びましょう。流星などほとんどの天体が出す光は、街灯の明かりなどに比べるととても弱いものです。人工の明かりが少なければ、人工の明かりに邪魔されて見ることができなかった暗い流星も見ることができるようになり、それだけ、多くの流星を見ることができます。
また、大都市には人工の明かりがたくさんあります。大都市から離れることでも、暗い流星を見ることができるようになります。
望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください。
※ 望遠鏡や双眼鏡を使用すると、見ることのできる範囲がたいへん狭くなるために、かえって観察しづらくなります。
見る方向を気にする必要はありません。
※ 流星がふたご座の方向に特に多く出現するかのような、間違った説明がされることがあります。以下の説明をお読みになり、正しい観察をすることで、より多くの流星をご覧になってください。
ふたご座流星群の放射点は、ふたご座のα(アルファ)星カストルの近くにありますが、放射点のある方向だけに流星が出現するわけではなく、流星は夜空のどの方向にもまんべんなく現れます。放射点近くに出現する流星は、こちらに向かって飛んでいるために短い軌跡の流星が多く、一方、放射点から離れた方向では、流星の軌跡を横から見ることになるために、長い軌跡の流星が多く観察されます。
ですから、放射点の方向にはあまりこだわらず、できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなります。
図は、12月中旬、22時(午後10時)頃の、東の方角の星空を示しています。
星は日周運動によって動いています。22時を過ぎて時間が経つと、星の見える位置がこの図とは違っていきますのでご注意ください。(見る場所による差はあまりありませんので、22時であれば東京以外でもこの図を利用できます。)
流星の軌跡を逆方向に伸ばした先が、ふたご座流星群の放射点を通るかどうかを確かめます。通れば、その流星はふたご座流星群の流星である可能性が高いと考えることができます。(ふたご座流星群の流星は、その放射点を中心に、放射状に出現します。)
→ 群流星の見分け方について、さらに詳しい解説はこちら
放射点の位置については、国立天文台暦計算室の「今日のほしぞら」もご利用ください。代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)といっしょに、ふたご座流星群の放射点の位置を調べることができます。
→ 暦計算室「今日のほしぞら」([ふたご放射点]と表示されています)
ひと晩のうちには、どの流星群にも属していない流星もいくつか出現します。このように「群」に属さない流星は「散在流星」と呼ばれます。また、この時期、出現数は少ないながらも、ふたご座流星群以外の流星群も活動しています。そのため、この時期に流星を見たからといって、その流星が必ずふたご座流星群の流星であるとは限りません。
もっと詳しく流星群を観察したいという方には、上級者向けの観察ガイドを用意しました。「上級者向け」と言っても、いくつかの点に注意すれば、簡単に始めることができますので、ぜひチャレンジしてください。