月食を観察して、色々なことに気づいた方からの感想をご紹介します。
皆既月食の間、オレンジの月がかかり、星がきらめいて、とてもすばらしかった。公表されている時間より1~2分、早かったような気がする。(神奈川県、30~39才)
半影食の頃、特に欠けてはいないが、満月の月よりも若干暗い感じがした。(感じだけかもしれませんが...)(岡山県、50~59才)
半影食のとき,はっきりとした影ではないが欠ける予定の部分が暗く見えたので,欠けているいるとして,灰色を選びました。半影食とは目で分かるのでしょうか。 学校の子供達に見るように言った手前,私もこのキャンペーンに参加しました。久しぶりに写真も撮らずに月食を観望しました。(東京都、40~49才)
→ 担当者より:本影による部分食が始まる前の半影食の時間帯に「月が少し暗くなっているような感じがする」「欠け始めているように見えた」と報告した方が多くいらっしゃいました。半影食はあまり暗くならず、簡単には気づかないことも多いのですが、今回は多くの方が気づいたようです。
お月さまが見えなくなったらお星さまがいっぱい見えるようになりました。(千葉県、~9才)
今回始めて月食を見ましたが、月食前と月食中では、夜空の明るさが変わって、それまで見えなかった暗い星たちも見えるようになりました。観測出来て良かったです。(埼玉県、13~15才)
初めて月食を見たのは30年くらい前の小5位だったでしょうか?それから幾度か見ましたが今回初めて小4の息子と最初から最後まで観察することができました。皆既中それまで見えなかった暗い星まで見ることができ、沢山の星の話をしてあげることができました。少しは興味を持ってくれたようです。(兵庫県、40~49才)
双眼鏡で皆既時の月の傍を見て、沢山の星が見えることに気付いた。普段は見たことのないような綺麗な星がたくさん見えた。自分が子供の頃には見えていたのかも知れぬが。(東京都、60~69才)
→ 担当者より:皆既食の前後には、月の光が弱まるにつれて、それまで見えていなかったたくさんの星が現れました。満月に近い(形の)月は大変明るいため、その明るい月の光に埋もれてしまって、普段は星が見えなくなっているのですね。 皆既食中に双眼鏡で観察すると、たくさん星が見えたという報告もいただきました。月食のときだけでなく、月の見えない夜に双眼鏡を使って観察すると、同じように、たくさんの星が見えるはずです。ぜひ観察してみてください。
初めて皆既月食を観察することができました。月が完全に影に入ると、暗い赤のような茶色のような色に、端の部分は少し明るいオレンジ系の色になっており、グラデーションが綺麗でした。鴨川の中洲から、冬の星座とともに楽しく観察できてよかったです。(京都府、16~18才)
皆既の間も、いつもより立体的な月が楽しめた。月が赤みを帯びるのは驚き。(東京都、40~49才)
→ 担当者より:月にかかる地球の影の色や濃さは、一様ではありませんでした。この、グラデーションのかかった月を、「立体的」と表現した方が何人かいらっしゃいました。確かに、皆既食中の月は、光を受けたガラス玉のようにも見え、いつもの満月とは違う、不思議な光景でしたね。
2010年の皆既日食は、東から西へと欠けていったが、皆既月食は、西から東へと欠けていった。満月が欠けていくにつれて、星の数がだんだんと多くなった。満月より地球の影のほうが大きかった。(京都府、10~12才)
→ 担当者より:月食のときの地球の影の大きさは、満月の約3倍あります。欠け際の曲がり方から、月より地球の影のほうが大きいことに気づいたのですね。 (今回の月食は天頂に近い位置で起こりましたので、方位は単純には決まりませんが、「皆既日食は東から西へ欠け、皆既月食は西から東へ欠ける」というのは、逆ではないでしょうか。)
肉眼では黒、双眼鏡では灰色に見えた。(山梨県、~9才)
→ 担当者より:肉眼で観察するか、双眼鏡や望遠鏡で観察するかによって、影の色が違って見えたのですね。双眼鏡や望遠鏡は肉眼より多くの光を集めることができるため、肉眼より明るい色に見えることが多いようです。
天文施設を利用した方の感想をご紹介します。
大田原市のふれあいの丘天文館で皆既月食を観望しました。皆既中にたくさんの冬の星座やオリオン大星雲、プレアデスなどがはっきりと見えて、素晴らしい夜空でした。(栃木県、60~69才)
小学4年生の息子と一緒に観察しました。ぐんま天文台の方の説明を事前に参加した観望会で聞いていたので、わかりやすかったです。 (群馬県、50~59才)
月食を見られなかった方からの感想をご紹介します。
天候に恵まれた地域が多かったようですが、残念ながら月食を見ることができなかった地域もあったようです。それまで晴れていたのに月食だけは曇ってしまったという方からの報告もありました。
曇っても観察を楽しんでいただけたようで、こちらも嬉しくなりました。
次の月食では晴れるといいですね。
夕方まで晴れていたのに、月食の時間には曇っていたのでいたので残念でした。(愛知県、10~12才)
肝心な皆既月食のときに曇ってしまったが、その結果も含めて楽しい観測でした。(宮城県、30~39才)
天候が悪く、月が出ていませんでした。また機会があれば、観察したいと思います。(新潟県、10~12才)
その他にも色々な感想をいただきましたので、いくつかご紹介します。
とてもきれいでした。月がだんだん欠けていくのが面白かったです。(東京都、~9才)
欠けた月は初めてみたので感動した。夜遅くまで観測してたので、疲れて眠ってしまいました。12時以降はお母さんがかわりにかんそくしました。(東京都、~9才)
こんなに真剣に観察したのは、初めてだった。面白かった。(埼玉県、10~12才)
生まれて初めて、月食を見ました。始めから終わりまで見て、すごくきれいで、寒さを忘れるぐらい感動しました。(東京都、10~12才)
夜のニュースを見て月食のことを思い出しました デジカメで撮影してみたけどなかなかうまく撮れませんね 暗い空に浮かぶ濃淡の違う月に神秘的なものを感じました 次の機会のために新しいカメラ買おうと思います(東京都、19~22才)
今回、皆既月食を初めて見ました。とっても寒かったけれど、赤い月が見られて感激しました。すごくいい思い出になりました。また、宇宙についてもっと勉強したくなりました。(香川県、13~15才)
素晴らしい感動の夜でした。 冬の星座も見事キラキラでした。 月が欠けたらすばるも綺麗に見えました。生まれて初めて体験した皆既月食の一部始終、赤い月は神秘の色でした。 双眼鏡を覗きすぎて吐き気が止まらなくなりましたが、それ以上の喜びです。 明るい満月の光に抱かれておやすみします。 みなさん、お疲れ様。 おやすみなさい☆*。*:*・°(滋賀県、50~59才)
小3の息子と小5の娘と夫と一緒に見ました。始めは天候が悪く、見られないかもと心配しましたが、家族全員で観測できました。息子は10時頃まで、娘は12時すぎまでがんばっていました。途中、雪が降ったり、すごく寒かったりと大変でしたが、とても楽しかったです。星もすごくきれいでした。次は流星群に挑戦します!(青森県、30~39才)
我が家は田舎の高台にあるので、高い建物や光がないし、周りは真っ暗だし、安心して室内は電気をつけたまま庭で観察していたのですが、深夜0時過ぎに就寝で消灯したところ、もっと鮮明に、ハッとするくらいだったので、これからはもっと光に気をつけなければと思いました。二回目ですが、今回は途中からパラパラと雨でしたので、肉眼のみになりました。(大分県、60~69才)
プラネタリウムで月食をおしえてもらった。 ママとお兄ちゃんが見るから一緒にみた。 星もいっぱい見えて、オリオン座も冬の大三角形も見えて、絵もかいた。 月が隠れていくのがわかった。全部隠れたら赤い月でビックリした。プラネタリウムで教えて貰ったのと同じでワクワクした。 お兄ちゃんの望遠鏡で初めて見えたら、月のうさぎ(母注・クレーターのこと)がすごくキレイに見えてビックリした。(埼玉県、~9才)
キャンペーンについての感想の中で、特に、月にかかる影の色をどの色に判定するかが難しかった、というご意見を多くいただきました。
確かに、影の色や濃淡は一様ではなく、月のそれぞれの部分で色が違っています。それだけでも、色をひとつに決めることが難しく思えます。また、色の選択肢は黒からオレンジまでの5段階しかありませんので、ちょうど当てはまる色が見つからないこともあると思います。
皆さんのご意見を参考にし、一方で観察方法が複雑にならないよう、改善できる点は改善していきたいと考えております。ご意見ありがとうございました。
月の色の表現がややわかりにくく感じます。(宮城県、40~49才)
若い頃、天文に興味があり月食を何回も観たり写真にも撮りました。今回、月にかかる影の色の見え方が毎回違うとの記事を読んで月食の観察をしてみました。今回は月の影の色の判定に困りました。ぴったり合う色を選択できませんでした。(東京都、60~69才)
とにかく寒かった。部分月食中の欠けている部分の色を判定するのは難しかった。今回の皆既月食中の月の色は明るく、明るい赤かオレンジ色のどちらにしようか迷いましたが、オレンジ色の方が近いと思いました。明るく見えたのは、街灯が明るかったことと双眼鏡の集光力のせいかもしれません。同じ月面でも、部分によって色がかなり違っていました。(東京都、40~49才)
観察回数は小学生の頃から何度となく見ているので良くおぼえていません。「月にかかる影の色」の表現(回答の)が例と自分の感覚と一致しない場合があって困りました。(茨城県、50~59才)
感想の中に、質問を書いている方や疑問を書いている方がいらっしゃいましたので、簡単にお答えしておきます。
初めての皆既月食はとても幻想的で満月だった月がだんだんと影って赤銅色になるのがとても不思議に感じました。 また、疑問として経度が同じで緯度が違うオーストラリアでも皆既月食はみることができますか?(茨城県、13~15才)
→ 担当者より:(現象は月面で起こっていますので)その時刻に月が見えている場所であれば、同じように皆既月食を見ることができます。今回の月食の場合、オーストラリアでも、部分食の初めから終わりまでを見ることができました。
沢山の冬の星々と赤い月を一緒に見ることが出来る不思議、本当に美しかった…。 人生初の皆既月食でしたが、地球の影に入った月の明るさにとても驚きました。 そこで質問があります。満月の月と皆既月食の月、それぞれ明るさは何等星くらいなのですか?(長野県、40~49才)
→ 担当者より:満月の明るさは-12.6等です。皆既月食中の月は、そのときごとに明るさが違いますが、大ざっぱには満月の数千分の1の明るさのようですので、-4等程度ではないかと思われます。
10日、22時前後、月の周りに光の輪ができていた。薄い雲がかかっていたためなのか、月食の現象なのか不明です。(神奈川県)
→ 担当者より:月に暈がかかっていたのではないでしょうか。暈は天文現象ではなく気象現象です。
満月のたびに月食がおこってもいいような気がするのに、なぜたまにしか月食がおきないのかなと思った。(神奈川県、10~12才)
→ 担当者より:よいところに気がつきましたね。月の軌道は、太陽の軌道と比べて約5度傾いています。そのため、満月のときでも、多くの場合、月が地球の影の南側や北側を通ってしまい、月食にはなりません。(そのため、月食でない満月は、南側か北側が少しだけ欠けているのです。)
月食の初期は灰色(薄い黒)でしたが、半分以上月食が進むと暗い赤色へと変化していました。皆既の段階では、月の上部ほど暗く、下部が暗い赤色でした。また下端はほんのり明るい状況でした。これは地球の影の中心が月の上部方向にずれているためかなと考えました。(茨城県、40~49才)
→ 担当者より:地球の影は中心に近いほど暗く、影の端は中心より明るいのが一般的です。今回の月食では、月は地球の影の端のほうを通ったため、影の中心に近い部分の月面は暗く、影の端に近い部分は明るく見えたと考えられます。(地球の影と月の位置関係は「地球の影に対する月の動き」をご覧ください。)
前後部分食のうち満月寄りの時間帯では、陰は暗く黒に近く見え、逆に皆既よりの時間帯では、陰は明るく赤色寄りに見えた。円の形をした地球の陰のうち、周辺部では黒に近く、中心部ほど赤に近くなっていたということだろうか?大気に近い周辺部ほど赤くなる気がしていたので意外であった。(東京都、19~22才)
→ 担当者より:部分食の満月に近い時間帯では影が黒く見え、皆既食に近い時間帯では影に色がついているように見えたのですね。一般に地球の影は、周辺部のほうが明るく、中心部ほど暗いはずです。それとは反対の結果になった理由ですが、満月に近い時間帯には、月のまだ影の中に入っていない部分がたいへん明るいために、影の色をうまく認識できなかったために、影の色が黒に近い色に見えたのだと思われます。
初めての観察です。 一部が影に入っているときは影はほぼ黒く見えなかったのに、全体が入ってしまうと満月に戻り、色が変わるのが不思議でした。 また、写真などでは皆既が終わると左から月が満ちていくように見えるのに、我が家からは真下からに見えました。 (愛知県、40~49才)
→ 担当者より:月が満ちていく方向が写真と家で違ったとのことですが、今回の月食が天頂(頭の真上)に近い位置で起こったために、体やカメラを向ける方角によって、満ちていく方向が変わって見えたためではないかと思います。(また、どこで観察したかによっても、方向は異なって見えます。)
天体望遠鏡で見た月は思っていたよりきれいだった。目で見えないところまで月が見えてよかった。ウサギはいなかったけど,黒いところがあった。あれは何だろう?影かな。(母代筆)(茨城県、~9才)
→ 担当者より:「黒いところ」というのは、月面の模様のことでしょうか。月面には「海」と呼ばれる黒い模様があり、月食のときに限らず肉眼でも見ることができます。(双眼鏡や望遠鏡でしたら、さらにはっきり観察できるでしょう。)日本ではその形から「うさぎの餅つき」に例えられます。海は、他の白っぽい部分と比べて黒っぽい岩石でできているために、その部分だけ暗く見えるのです。
皆既の時になぜ月が赤っぽくなるんですか。日食はきれいに見れなかったけど月食は見ることができてうれしかったです。(京都府、10~12才)
→ 担当者より:皆既食の時に月が赤くなる理由は「皆既月食中の月の色について」に詳しく説明しています。大人の方にも手伝ってもらって、読んでみてください。
高度の違いなのか、見かけの大きさが今回は小さかったように思います。(京都府)
→ 担当者より:月が地平線近くにあるときに比べて、天頂(頭の真上)近くにあるときに見かけの大きさが小さく見えるのは、目の錯覚です。実際に測定してみると、大きさはほぼ変わりません。ただ、この錯覚はほとんどの人で起こるようです。このように説明をしている私(担当)自身も、地平線近くにある月を見ると、天頂近くにある月よりずっと大きく見えます。
皆既月食が始まる時間となり、すべて隠れたように見えたのですが、23時10分過ぎ頃、急に影が薄くなり月の白さが薄っすらと見える現象を観測しました。その後雲がかかる様にまた影に覆われましたが…その時だけ太陽の当たり方が弱くなったのでしょうか。どうしてそう見えたのか知りたいです!(埼玉県、23~29才)
→ 担当者より:何が起こったのでしょうね。他の方から、同様の報告はありませんでした。ひとつ考えられるのは、月の前に薄雲がかかった可能性です。都市部では、地上の明かりが雲に反射し、雲が白く見えることがあります。そのような雲が一時的に月の前に発生した(または、月の前を横切った)のかもしれません。
以前に見た皆既月食は「赤い月」でロマンチックだったが、今回はグレーイッシュで、古い松ぼっくりのような色。月の位置が天頂近いと影の色が黒くなるんだと思いました。(東京都、40~49才)
→ 担当者より:月の見える位置によって、影本来の色が変わることはないように思われます。むしろ、月の高度が低いときのほうが、大気の減光で月の色が暗く見えます。前回と今回の色の違いは、地球大気の状態が違うことや、月が地球の影のどの部分を通るかの違いなどで生じたのではないでしょうか。
23:30過ぎに左下のほんの一部を残し赤銅色になりました。そのまま光が無くなりドーナツ状になるのを待っていましたが、変化見られず一時間後にまた光始めました。 地球の影が完全に月を横切るわけではなかったのですね。日食でいう所のダイヤモンドリングが見事で、感動しました。 (埼玉県、40~49才)
→ 担当者より:地球の影(本影)の直径は月の直径の3倍ほどありますので、月食が、金環日食のようにドーナツ状になることはありません。今回の月食では、月は一度完全に本影の中に入り、本影を横切って別の側から本影を出ました。(「地球の影に対する月の動き」をご覧ください。)
報告は肉眼で見たものです。併せて簡単な天体望遠鏡(屈折式)でも観察していましたが,肉眼で見た色と違って見えました。これはなぜ????素朴な疑問です。(群馬県、40~49才)
→ 担当者より:双眼鏡や望遠鏡では、肉眼より多くの光を集めることができます。そのため、多くの場合、双眼鏡や望遠鏡を使ったほうが、影の色は明るく見えるようです。また、双眼鏡や望遠鏡ではレンズや反射鏡を使っていますので、機器によっては色が変わって見えるのかもしれません。
かけ始めの頃の影は黒にしか見えなかったが、明るい部分が減るに連れて、影が暗い赤に見えるようになった。 また、皆既食の時は完全に月が見えなくなるものと思っていたが、暗いだけで普通に見えたのが驚き。月から見れば太陽は地球の影に完全隠れていたはずだが、どこからの光を反射していたのか不思議。(東京都、23~29才)
→ 担当者より:地球の影の中にある月が真っ黒にならない理由は「皆既月食中の月の色について」で説明していますので、お読みください。
月の動きと食の欠け、満ちがクリアな空に見られ昔、習った事が本当なのだと実感した。 水星と金星と思われる二つ星も美しく最高の天候でした。(東京都、40~49才)
→ 担当者より:この日、水星は見ることが難しかったと思われます。月食の日に見えていた明るい星としては、夕方のわずかな時間南西の空に見えていた金星、月の西に見えていた木星、月の南東に見えていたシリウスなどが考えられます。