流星群の出現数を調べる観測方法として、近年、ビデオ観測や電波観測が発達してきました。しかし現在でも、眼視による計数観測、つまり「肉眼で流星を見て数を数える方法」が盛んに行われています。この眼視による観測は過去の観測結果とも直接比較することができますし、また手軽なためたくさんのデータが集まります。たくさんのデータが集まれば、眼視による観測でも精度のよい観測結果を得ることができるのです。
「夏の夜、流れ星を数えよう」キャンペーンでは、多くのみなさんに流れ星を見ていただくことを目的に報告を呼びかけています。できるだけペルセウス座流星群の活発さがわかるように、報告方法に工夫をこらしていますが、正式な観測というわけではありません。
では、正式な眼視観測をするために、どのようなことを行えばよいのでしょうか。いくつかの点に注意すれば、みなさんもはじめることができますので、その一例を簡単にご紹介します。ぜひチャレンジしてください。
眼視で流星数を数える計数観測は、一般的に一人が見た流星を数えます。これを個人計数観測と言います。国内の多くの観測者は一人で観測を行っていますが、一人で観測にのぞむ場合には、空を観察しながら、ほとんど目を離さずに流星の出現を記録する必要があります。この方法は少々コツが必要で、はじめは多少難しいかもしれません。
そこで今回は、二人以上のグループによる観測で、記録者をもうける場合も合わせてご紹介することにしました。安全性の点からも、グループで観測にのぞんだ方がよいと思われます。ぜひ参考にしてください。
また各項目には、さらに詳しい解説ページも用意してあります。リンクをたどって、観測時の参考にしてください。
観測方法の概要は次の通りです。
以下のものが必要になります。ぜひ準備しておきましょう。
このほか、以下のものがあると便利です。
街灯などのあかりが無く、またできるだけ広く見渡せる場所を探します。
目が暗さに慣れて、暗い星や流星が見えるようになるには時間がかかります。観測地に到着してから30分程度は目を慣らしましょう。
1回の観測時間は、30分をおすすめします。休憩をはさみながら、何度か繰り返すスケジュールを決めましょう。
(グループの場合)流星の数を数える担当を一人決めます。また記録の担当を決めます。2人ならば1回ずつ2交替、3人ならば同様に3交替のスケジュールをまず決めましょう。
観測者は、寝転がって真上を向き、開始時刻を記録します。
まず、群流星か、散在流星かを判断します。これを区別して数えることを重視します。
慣れてきたら、このほかに出現時刻、明るさ、流星痕の有無などを合わせて記録します。
終了時刻を記録します。
観測終了後、直ちに、前述した最微星光度(星の見え具合)と雲量(雲の覆い具合)を記録します。
疲れると集中力が落ち、流星を見落としてしまいます。無理をせず適度な休憩をとりましょう。
同様に空の状態をチェックします。
再び同様に観測します。
(グループの場合)観測者と記録者を交代して、再び同じように観測します。
※3人以上の場合は、ローテーションさせるとよいでしょう。
→さらに詳しい解説はこちら
以上のように観測を行うと、正式に報告できる結果が得られます。
観測地で行うのはここまでです。この後は帰宅後に集計します。
記録用紙を確認したり、録音された様子を聞き直したりして、観察者ごと、観察時間ごとに流星の数を集計します。ペルセウス座流星群の流星と、そうでない流星を分けて、それぞれの数を集計します。このほか、空の状況(最微星光度・雲量)の記録を確認し、平均値を求めます。また観測地の北緯・東経を調べます(眼視観測の場合は、それぞれ角度の「分」の単位まであれば十分です)。
集計が終わりましたら、集計用紙(日本流星研究会)の必要な項目に記入して、報告します。集計用紙は以下のページからダウンロードして用いてください。グループで観測した場合は、観測者ごとに1枚の集計用紙が必要となります。
なお、国内の流星観測の観測結果は、日本流星研究会が集計しております。お手数ですが、以下のページを参考に、日本流星研究会にご報告されるよう、お願いいたします。