観測者は、寝転がって真上を向き、開始時刻を記録します。
観測者が見る(顔を向ける)方向ですが、基本は天頂方向にしましょう。このため、寝転がって観測する必要があります。レジャーシートに寝転がったり、アウトドア用の背もたれのあるイスを利用する人もいるようです。
なお、視界のひらけた方向の都合などで、天頂よりも少し下側を見て観測をする人も多いです。このような場合は、視野の中心の星座、または視野の中心の方角・高度を記録するようにします。
まず、群流星か、散在流星かを判断します。これを区別して数えることを重視します。
群流星と散在流星の見分け方についての解説はこちら
流星が出現したら、目を離さずに流星の出現を記録します。長い用紙に探り書きをして、用紙を折り返し、次の流星に備える方法が一般的です。またカセットテープやICレコーダーに出現の状況の声を録音をする方法もあります。
一人で観測する場合は、空を見ながら出現を記録しますので、工夫が必要となります。一つの方法は探り書きという方法です。これは、レジのレシート用のロール用紙など、長い観測用紙を用意して、流星が出現したら仰向けのまま、これに記録します。記録できたら、その部分を折り畳んで、次の流星の記録が重ならないようにします。
もう一つは、録音できる装置を用意する方法です。流星が流れたら声をあげ、これをカセットテープやICレコーダーで記録します。ただし、後でもう一度聞きなおして、集計しなければなりません。録音を続けたままで観測すると、あとで聞きなおすのが大変ですので、流星が出現したときだけ、出現時刻とともに録音するようにします。時刻を自動的に録音できる装置があるとさらに便利でしょう。
流星が出現したら、観測者は、記録者にそれを伝えます。
例)観測者:「流れた」と発声→記録者:時刻を記録→観測者:「群」(または「散在」)と発声→記録者:群流星がどうか記録
記録者は、観測者の視野の邪魔にならない程度離れて、かつ声の届く範囲にいるようにしましょう。そして観測者が伝える流星の出現状況や、空の状況を記録用紙に記録します。また随時時計を確認して、観測開始時刻や終了時刻を観測者に伝えるようにしましょう。
なお余談ですが、記録担当と言っても、記録用紙や時計ばかりを見ているのでは大変です。ぜひ普段は空を見て、一緒に流星観察を楽しみましょう。観測者が「流れた」と声を発してから時計を見ても、記録さえとれれば大丈夫です。
慣れてきたら、このほかに出現時刻、明るさ、流星痕の有無などを合わせて記録します。
最も大事なのは、流星の数、とくに今回であれば、ペルセウス座流星群の流星と、そうでない流星を区別して数えることです。まずは、この二つを区別して数えられるように、記録します。
流星の数が多いときには、5分ごとに集計すると、あとでもう少し詳しい様子を知ることができて便利です。
また慣れてきたら、出現時刻、明るさ、流星痕の有無(後述)なども合わせて記録してみましょう。
流星数を数える観測では、流星の出現時刻は必ずしも必要な情報ではありません。しかし、これを記録しておくと、あとで5分ごと、10分ごとの出現状況を知ることも可能になります。また、写真観測を合わせて行うときには、明るい流星の出現時刻を知ることができるので便利です。
流星の明るさの分布は、そのときの流星群の特徴を知ったり、また(個々の観測者ではなく)集計者や研究者が集計するとき使用されることがあります。夜空の星と比較して、流星が最も明るいときの明るさ(光度)を記録します。1等単位で十分です。
明るい流星が流れた後に、経路に沿って「すじ」のようなものが残ることがあります。これを流星痕(こん)と言います。流星群ごとに、流星痕が残りやすいものや、残りにくいものがあることなどがわかり、特徴を知ることができます。しかし、最近の傾向としては、あまり必要な情報とされないようです。ただ記録することは難しくありませんので、気がついたら記録してみてはいかがでしょうか。
このほか、流星の速度や色などを記録する場合もあります。
記録用紙(PDF形式)の見本を用意しました。ダウンロードしてご利用ください。
終了時刻を記録します。
観測終了後、直ちに、最微星光度(星の見え具合)と雲量(雲の覆い具合)を記録します。
疲れると集中力が落ち、流星を見落としてしまいます。無理をせず適度な休憩をとりましょう。
同様に空の状態をチェックします。
再び同様に観測します。
(グループの場合)観測者と記録者を交代して、再び同じように観測します。
※3人以上の場合は、ローテーションさせるとよいでしょう。
今回は、グループでの観測もご紹介しております。例えば二人の場合ならば、30分観測したら10分程度休憩をとり、今度は観測者と記録者を交代して観測するようにしましょう。三人以上ならば、「記録」→「観測」→「休憩」というように、ローテーション式にするとよいでしょう。
以上のように観測を行うと、正式に報告できる結果が得られます。
観測地で行うのはここまでです。この後は帰宅後に集計します。
記録用紙を確認したり、録音された様子を聞き直したりして、観察者ごと、観察時間ごとに流星の数を集計します。ペルセウス座流星群の流星と、そうでない流星を分けて、それぞれの数を集計します。
このほか、空の状況(最微星光度・雲量)の記録を確認し、平均値を求めます。また観測地の北緯・東経を調べます(眼視観測の場合は、それぞれ角度の「分」の単位まであれば十分です)。
集計が終わりましたら、集計用紙(日本流星研究会)の必要な項目に記入して、報告します。集計用紙は以下のページからダウンロードして用いてください。グループで観測した場合は、観測者ごとに1枚の集計用紙が必要となります「報告用紙」というところに「月別集計用紙」(PDF形式)が用意されています。
なお、国内の流星観測の観測結果は、日本流星研究会が集計しております。お手数ですが、以下のページを参考に、日本流星研究会にご報告されるよう、お願いいたします。
上記の本格的な観測報告と合わせて、国立天文台で行っている「夏の夜、流れ星を数えよう」キャンペーンにも観察結果をご報告ください。