Geminids meteors2012 ふたご座流星群を眺めよう―12月12日~16日 ふたご座流星群―

国立天文台
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ふたご座流星群について

流星と流星群

流星と流星群の関係を示したイメージ画像
流星と流星群の関係を示したイメージ画像です。
実際のペふたご流星群の母彗星とは
軌道が異なりますのでご注意ください。
(クリックすると大きな画像をご覧になれます)

流星(「流れ星」とも言う)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になると同時に光って見える現象です。

このようなチリの粒を軌道上に放出しているのは彗星で、チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んできます。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっていますので、特定の時期に特定の流星群が出現するわけです。
このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってきます。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んできますが、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれます。ふたご座流星群の放射点は、ふたご座α(アルファ)星カストルの近くにあります。

ふたご座流星群の特徴

ふたご座流星群の流星の写真
撮影者:戸田博之(国立天文台)
観測地:国立天文台 岡山天体物理観測所
撮影日時:2010年12月15日2時24分
クリックすると拡大します。

ふたご座流星群は、毎年12月13日から14日頃を中心に活動している流星群です。ふたご座流星群の活動は11日頃から16日頃まで続くため、その期間は流星の出現が期待できます。

ふたご座流星群は、流星を初めて見てみようという人にもお勧めです。

その理由のひとつは、流星数が多いことです。毎年、ほぼ決まって、たくさんの流星が出現します。1月のしぶんぎ座流星群・8月のペルセウス座流星群と並んで「三大流星群」と呼ばれています。4等星まで見えるような平均的な空で晴天に恵まれれば、1時間に15~20個の流星を見ることができます。十分に暗い空ならば、より多くの流星を見るチャンスがあります。

もうひとつの理由は、真夜中前にも流星が出現することです。三大流星群のうちペルセウス座流星群やしぶんぎ座流星群は、どちらも深夜から明け方の時間帯を中心に流星が出現しま す。しかし、20時頃という早い時刻から出現するふたご座流星群は、お子さんにとっても観察しやすい流星群といえるでしょう。

流星がいちばん多く見えるのはいつか

流星群の流星がいつごろいちばん多く見ることができるかを考えるには、主に3つのことを考える必要があります。

ひとつは流星群自体の活動の活発さです。
流星群の活動は徐々に活発になり、最も活発な時期を迎えて、その後は沈静化していきます。流星群が最も活発に活動すること(またはその時期のこと)を「極大」と呼びます。

もうひとつは、放射点の高度です。
放射点の高度が低い(地平線に近い)ときには、多くの流星が出現することはあまり期待できません。放射点の高度が低いときには、流星の元になるチリが大気に斜めに飛び込んでくることになります。チリが斜めに飛び込んでくると、真上から飛び込んできたときと比べて、観察者から見ることのできる範囲の大気に飛び込んでくるチリの数が少なくなるため、流星の数も少なくなります。
反対に、放射点の高度が高い(頭の真上に近い)ときには、チリが真上近くから大気に飛び込んできて、チリの数が多くなるため、流星の数も多くなります。

それから月明かりです。
明るい月が空に姿を見せていると、その明るさに隠されてしまって、暗い流星が見えなくなってしまいます。ですから、月が空に出ていないときの方が、より多くの流星を見ることができます。(満月に近い太った月ほど、明るい上に夜間に出ている時間が長いため、流星観察の妨げになります。)

今年のふたご座流星群の状況については「観察の仕方:何日の何時頃に見ればよい?」をご覧ください。