Geminids meteors2012 ふたご座流星群を眺めよう―12月12日~16日 ふたご座流星群―

国立天文台
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観察の仕方

ふたご座流星群の流星を観察する方法などについて、Q&A形式で解説します。

何日の何時頃に見ればよい?

12月13日から14日にかけての夜に、流星が最も活発に出現すると考えられます。真夜中過ぎから明け方にかけて多くの流星が出現しそうです。

流星がいつごろ多く見えるかには、流星群自体の活動の活発さ、放射点の高度、月の明るさが関係しています。(詳しくは「流星がいちばん多く見えるのはいつか」をご覧ください。)

今年(2012年)のふたご座流星群の極大は、12月14日の午前中(昼間)だと予想されています。そのため、12月13日から14日にかけての夜は、流星が最も活発に出現すると考えられます。20時頃から流星が出現し始め、真夜中過ぎから明け方にかけて多くの流星が出現しそうです。
(ただし、流星が多く出現する日時は確実には予想できませんので、あまり予想だけにとらわれないほうがよいでしょう。なるべく長い時間、そして長い期間観察を続けると、それだけ流星を見る機会が増えることになります。 )

放射点の高度ですが、ふたご座流星群の場合、20時頃には放射点がある程度高く上るため、流星が出現し始めます。それから時間が経過するにつれて放射点の高度は高くなっていき、流星の出現も活発になっていきます。放射点の高度が最も高くなるのは(午前)2時頃です。

月について、一般的には、月が出てしまいますと月明かりが邪魔になり、暗い流星は見ることができなくなってしまいます。しかし、今年は12月13日が新月のため、一晩中いつでも、月の影響を気にすることなく観察することができます。

また、極大から外れても、前後の数日間は流星群の活動が比較的活発な状態が続いているため、極大のときよりは流星の数は少なくなりますが、普段よりは多くの流星を見ることができると考えられます。極大の日が晴れるとは限りませんので、なるべくなら、前後何日間かは観察ができるとよいでしょう。

どの方向を見る?

見る方向を気にする必要はありません。
(流星はあらゆる方向に出現します。ふたご座の方向だけに集中して出現するわけではありません。)

ふたご座流星群の放射点は、ふたご座のα(アルファ)星カストルの近くにあります。「放射点」とは、流星の軌跡を逆向きに延長したときに通る点のことです。流星は、放射点のある方向だけに流星が出現するわけではなく、夜空のどこにでも現れます。例えば、放射点とは反対の方向を見ていても、平均すれば、放射点の方向を見たときと同じ数の流星を見ることができます。

ですから、放射点の方向にはこだわらず、できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなります。

放射点近くに出現する流星は、こちらに向かって飛んでいるために短い軌跡の流星が多く、一方、放射点から離れた方向では、流星の軌跡を横から見ることになるために、長い軌跡の流星が多く観察されます。

図は、12月中旬22時頃の東の方角の星空を示しています。都市部で観察している場合にはこれほど暗い星は見えないかもしれませんが、放射点を探す目安となるよう暗い星まで描いてあります。

※ 星は日周運動によって動いています。22時より何時間も前や22時を過ぎて何時間も経つと、星の見える位置がこの図とは違っていきますのでご注意ください。(観察する地点による差はあまりありませんので、22時であれば東京以外でもこの図を利用できます。)
星座早見盤を利用すれば、別の時刻の星空の様子も確認することができます。

どのくらいの時間観察すればよい?

最低でも15分間は観察しましょう。

観察時間は自由ですが、2,3分観察して流星が見えないからといって、簡単にあきらめてしまわないようにしましょう。特に都市部などではそれほどたくさんの流星が見えるわけではありませんので、最低でも15分間程度は観察を続けるのがよいでしょう。

このキャンペーンに参加する方には、最低でも15分間の観察をするよう呼びかけています。

また、明るい屋内から屋外に出てすぐには、目が暗さに慣れていません。何分か屋外にいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。

どのくらいの数の流星が見えるの?

ふたご座流星群は、極大の頃、放射点が高い時刻に、月の見えない十分暗い場所で観察をすると、1時間に30個以上の流星を見ることができます。しかし今年は、極大が14日の昼間(午前中)であると予想されているため、実際に見ることのできる流星の数は、それよりもやや少なくなってしまうかもしれません。

また、見える流星の数は、観察する場所の空の明るさで変わってきます。人工の明かりがたくさんある市街地では、見える流星の数はずっと減り、1時間に数個程度になってしまうこともあります。

日本全国で見えるの?外国では?

日本全国どこででも見ることができます。

日本国内でしたら、流星の出現のしやすさにほとんど違いはありません。
人工の明かりが多い都市部などでは、その明るさに邪魔をされて暗い流星が見えづらくなりますので、見ることのできる流星の数は少なくなります。

日本以外の国でも、ふたご座流星群の流星を見ることができます。ただし、南半球では放射点の高度があまり高くならないため、観察条件はあまりよくありません。

どんな場所で見ればよい?

できるだけ、街灯など人工の明かりが少ない場所を選びましょう。

流星などほとんどの天体が出す光は、街灯の明かりなどに比べるととても弱いものです。人工の明かりが多いと、その明るさに邪魔をされて暗い流星が見づらくなり、それだけ、見ることのできる流星の数が少なくなってしまいます。

また、大都市には人工の明かりがたくさんあります。大都市から離れることでも、多くの流星を見ることができるようになります。

どんな道具が必要?

望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください。

望遠鏡や双眼鏡を使用すると、見ることのできる範囲がたいへん狭くなるために、かえって観察しづらくなります。

流星の数を記録するために、クリップボード(画板)、紙、鉛筆、懐中電灯などがあるとよいでしょう。ただし、懐中電灯は、せっかく暗さに慣れた目を刺激しないよう、赤いセロファンなどで十分減光した方がよいでしょう。

できれば、星座早見盤があると、放射点の位置を確認したり、流星観察の合間に星座や星を楽しんだりするのに便利です。

ふたご座流星群の流星かどうかはどうやってわかる?

流星の軌跡を逆方向に伸ばした先が、ふたご座流星群の放射点を通るかどうかを確かめます。

流星の軌跡を逆に伸ばして放射点を通れば、その流星はふたご座流星群の流星である可能性が高いと考えることができます。(ふたご座流星群の流星は、その放射点を中心に、放射状に出現します。)「ふたご座の方向に見えたからふたご座流星群の流星だ」というわけではありません。

放射点の位置については、国立天文台暦計算室の「今日のほしぞら」もご利用ください。代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)といっしょに、ふたご座流星群の放射点の位置を調べることができます。

ひと晩のうちには、どの流星群にも属していない流星もいくつか出現します。このように「群」に属さない流星は「散在流星」と呼ばれます。そのため、この時期に流星を見たからといって、その流星が必ずふたご座流星群の流星であるとは限りません。

群流星の見分け方について

暦計算室「今日のほしぞら」([ふたご放射点]と表示されています)

他に注意することは?

  • 遅い時刻に屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子さんは、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。また、まわりの皆さんの迷惑にならないよう気をつけてください。
  • 普段の生活では、夜の屋外で何十分もじっとしていることはなかなかないかもしれません。大変寒い冬の時期ですので、寒さには十分注意してください。普段外出するときよりも厚着をする、寒冷地用の防寒着や寝袋を使う、カイロを持つなど、寒さ対策を十分にして観察に臨んでください。
  • 立ったままで流星を観察すると、上を向いた無理な姿勢を長時間続けることになります。レジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察できる準備をしておくと、楽に長時間観察を続けることができます。